「名前の法則」の世界へようこそ。
ここでは有名人の名前が持つ「音」に注目し、その共通点を見つけていきたいと思います。
早速ですがクイズです。
この3人のキャラクターの共通点は何でしょう?
今回は国民的アニメのキャラクター編です。
『やあみんな!不満有作だよ。ボクの頭をお食べ。』
「あ、要らないです。」
『要らないです、じゃないよ!このままで共通点見つかる訳ないだろ?』
「バレちゃいました?」
『早く説明しないとこの3人の共通点ホントに考える人いるかも知れないだろ?』
「そうですね。」
では説明しましょう。今回のクイズはキャラクターではなく、その声を担当している声優さんの名前の共通点を当てて頂きます。
ヒント1:それぞれのお名前をローマ字にしてみましょう。
戸田恵子 =TODA KEIKO
大山のぶ代=OYAMA NOBUYO
野沢雅子 =NOZAWA MASAKO
ヒント2:両端の文字の母音に注目してください。
「じゃあ今日は歌じゃなくそれぞれのキャラクターの有名なセリフを言ってもらいましょうか?」
『オッス!おらぁ野沢雅子。』
「本人はそんな挨拶しません。」
えー皆さんもうお分かりですよね。では正解を発表しましょう。
正解はフルネームの最初の文字と、最後の文字の母音が同じという点です。
言い換えると、最初の母音に戻るという事ですので、
この様なお名前を「名前の法則」の世界では“リターンネーム”と呼びます。
リターンネームの女性は歌やトークなどに長けた「口で稼ぐ」タイプが多いのですが、声だけの仕事である声優で大きなチャンスを掴んだ方もリターンネームが多い事がわかったのです。
野沢雅子さんはほぼ声優一筋で特に少年の役は天下一品、
大山のぶ代さんは女優業では端役が多く、声優業が圧倒的に有名です。
🎵テッテレテッテッテ〜『どこでもドア〜』
戸田恵子さんはあゆ朱美(あけみ)という名前でアイドル演歌歌手としてデビューするもヒットに至らず、改名して声優業で活躍する内に女優の仕事も増えていきました。
『アンパ〜ンチ!』
そして何よりお三方とも、国民的アニメのキャラクターを担当して有名になりましたね。
大山のぶ代さんが2005年にドラえもん役を勇退された後、現在まで担当している二代目の方も水田(みずた)わさびさんというリターンネームです。
他にも国民的人気アニメの主役キャラクターを演じた声優さんの名前を調べてみますと、
ルパン三世『ふ〜じこちゃ〜ん。』
山田康雄(やまだやすお)さん→栗田貫一(くりたかんいち)さん
機動戦士ガンダム(アムロ・レイ)『親父にもぶたれた事ないのに!』
古谷徹(ふるやとおる)さん
キン肉マン『屁のつっぱりは、要らんですよ。』
神谷明(かみやあきら)さん
タッチ(上杉達也)『綺麗な顔してるだろ?死んでるんだぜ、それ。』
三ツ矢雄二(みつやゆうじ)さん
「いや“死んでる”多いな!もっと楽しいセリフにして貰えませんか?」
『OK!次からは任しとけ!』
Dr.スランプ(アラレちゃん)『んちゃ!アラレだよー。』
小山茉美(こやままみ)さん
平野文(ひらのふみ)さん
矢島晶子(やじまあきこ)さん
「いや名前言ってるだけじゃないですか!?」
『こんなもんだろう?』
ワンピース(ルフィ)『海賊王に、俺はなる!』
田中真弓(たなかまゆみ)さん
『いやぁー何か今日は楽だわー。』
「楽ってなんですか?(さては替え歌ネタ切れだな?)」
こうして見るとリターンネームに混じって“なめらかネーム”の方も何人かいらっしゃいますね。1970年代後半に第1次アニメブームが起こるのですが、それ以前に洋画の日本語版吹き替えをもともと俳優だった方が担当する事が多く、
野沢那智(のざわなち)さんや
広川太一郎(ひろかわたいちろう)さん、
今も次元大介役を続けておられる
小林清志(こばやしきよし)さんなども俳優出身です。
なめらかネームの方が多いのはその名残りかも知れません。
あと女性では孫悟空などの野沢雅子さんや、クレヨンしんちゃんの矢島晶子さん、ルフィ役の田中真弓さんなどがなめらかネームに該当しますが、女性ながら男の子の役を演じているという意味では、なめらかネームの女性歌手がルックスやジャンルなどが男性寄りになるという、歌の世界にも通じるものがある様に思えます。
『ポケモンのサトシ役の松本梨香(まつもとりか)はリターンネームだぞ!』
「主題歌“めざせ!ポケモンマスター”も担当したので歌手運が作用したんでしょうね。」
『おお、やるな。』
80年代半ば頃から塾に通う子供達が多くなり、夜7〜8時のゴールデンタイムのアニメは少なくなっていきました。更にビデオの普及により夕方の再放送も無くなっていったのです。
そうして子供向けやファミリー向けのアニメは土日の朝や夕方に、中高生や大人向けのアニメは深夜枠に移動していき、視聴者層がはっきり別れる様になりました。
そうなると“国民的アニメ”の誕生も難しくなります。
90年代の後半から2000年代以降は深夜アニメが増殖を始めたのですが、1クール(3ヶ月)毎にほぼ総入れ替えと言っていい程、目まぐるしく新番組と入れ替わるので安定せず、1人のキャラクターを演じ続ける事が難しくなっています。
そんな現代で有名な声優の方を挙げるとなると、
歌手としても活動する水樹奈々(みずきなな)さんや
宮野真守(みやのまもる)さんなど、計らずも“ノーペアネーム”なんですね。
ノーペアネームは「不安定」になる傾向があるという事はこれまでにもお伝えしてきましたが、このお二人もたくさんの役をこなしているものの、最近の深夜アニメを欠かさずチェックしている様なコアなアニメファンでないと、どんなキャラクターを演じてきたかがわからず、代表的な作品もこれなら誰もが知っているという物が無いんですよ。(コアなアニメファンがこれ見てたら怒られるかも知れないですけど。)
『ホントだ、何の役をやったらいいか分からない。』
「あ、まだ名セリフ言おうとしてたんですね。」
まぁノーペアネームはそういう「不安定」な状況でも力を発揮出来るという特性がありますので、ある意味今の時代に合っていると言えるでしょう。
『飛〜んでっちゃったりなんかして〜〜。』
「何の役やってます?」
『広川太一郎のナレーションだよ。』
「いや若い人知らないです!」
この様に画数ではなく母音に着目して有名人の名前をタイプ分けすると、同じ共通点を持つ方がこれだけ見つかるのです。すなわち人の名前が持つ「音」にはそれだけの力が秘められているのではないか?というのがこの「名前の法則」の世界の研究テーマなのです。
もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
「加藤みどりさんはサザエさんが開始される前に結婚して、苗字が“伊藤”になっていたんです!本名はリターンネームだったんですよ!」
『ま、参った〜。んがっふっふ!』(←昔の終わり方)
ではまた次回をお楽しみにー。