「名前の法則」の世界へようこそ。
ここでは有名人の名前が持つ「音」に注目し、その共通点を見つけていきたいと思います。
早速ですがクイズです。
ZARD・Every Little Thing・I WiSH。
この3組の共通点は何でしょう?
今回は女性ボーカルユニット編です。今までで1番難しいかも知れませんよ。
『おい!昨日と全然違うじゃないかよ!』
「早速不満ですか?まあ一見そう見えるでしょうね。」
『3組ともリターンネームじゃないって事が共通点か?』
「確かにそうなんですけど、問題文をよく読んで下さい。」
『脳トレクイズみたいな事言いやがって!問題文なんていつもと一緒だろが?』
「いつもは“3組の名前の共通点は何でしょう”ですけど、今回は“名前の”が抜けてるでしょ?」
『だからなに?』
「いやそこがポイントなんです。いつもと考え方を変えて下さい。」
『ヒントくれ、ヒント!』
「ヒントは、もう1つ出てるんですけどねぇ。」
『くっそ〜、いちいち鼻につく言い方しやがって〜。』
・
・
・
(数分後)
『キーッ!全然分かんね〜!』
では読者の方々にだけヒントを教えましょう。
“女性ボーカルユニット”これがもうヒントなんです。
「わかりましたか有作さん?」
『わかんね〜。だが、ナンノこれしき成人式だ!』
「結局それが言いたかったんですか?」
じゃあもう大ヒントですよ!
I WiSHのボーカルは川嶋あいという方です。
はい、ではそれぞれのお名前をローマ字にしてみましょう。
坂井泉水=SAKAI IZUMI
持田香織=MOCHIDA KAORI
川嶋あい=KAWASHIMA AI
ヒント3:ローマ字の切れ目(苗字と下の名前の間)に注目してください。
皆さんもうお分かりですよね。では正解を発表しましょう。
正解は苗字(姓)の最後の文字と、下の名前(名)の最初の文字の母音が同じという点です。
その為本来は一瞬途切れがちな、姓と名の繋がりの部分で同じ母音が続くので、フルネームで呼ぶ時に「言いやすい」のです。
この様なお名前を「名前の法則」の世界では“なめらかネーム”と呼びます。
つまり今回は3組ともボーカルがなめらかネーム、というのが正解でしたー。
『そんなの分かる訳ねぇだろ!?』
「いや、J–POPに詳しい人ならピンと来たと思いますよ。昨日からの流れも汲んでるし。」
『昨日と年代が違い過ぎるだろ!?堀ちえみとZARDが結びつくか?・・・ていうか、ZARDとE L Tはまだ良いとして、I WiSHはマニアック過ぎるだろ!?』
「実はそこがミソなんですよ。」
この記事でも説明しましたが、なめらかネームの女性歌手は、ロックなど男勝りの歌や、恋愛とは無縁の歌を唄ったほうがヒットに結びつく傾向があります。
裏を返せば恋愛の歌(ラブソング)をヒットさせるのは難しいという事です。
俳優・歌手・お笑いタレントなど、どのジャンルにも強いと思われたなめらかネームですが、女性に限ってはアイドル(ソロ)や、ラブソングには弱いという弱点があったのです。
しかしこの3組には、日本の音楽業界が暗黙の内にその事を分かっているのではないかと思える仕組みがありました。すなわち個人名が前面に出ないユニットなら、なめらかネームでもラブソングをヒットさせる事が出来るという、裏技の様な仕組みです。
特にZARDの場合は初期の頃バンドとしてテレビ出演などしていたものの、ほぼ坂井泉水さんのソロ活動だったようで、坂井泉水名義で活動していてもおかしくなかった筈なのにZARDという名義を使い続けたのは、プロデューサーやレコード会社の偉い方々の頭の中で、「この名前ではラブソングをヒットさせるのは難しい」と感じたからなのかも知れません。
更に不思議な事例があるのですが、それは川嶋あいさんのある曲についてです。
既に申し上げた通り、川嶋あいさんはI WiSHのボーカルとして活動していました。そのデビュー曲「明日への扉」は、恋愛観察バラエティー「あいのり」のテーマソングに起用されて大ヒットし、I WiSHの代表曲となりました。
しかしその後I WiSHは解散し、川嶋あいさんはソロ活動を始めるのですが、自身の作品であった「明日への扉」を詩の内容を変えて「旅立ちの日に・・・」というタイトルで発表するのです。
いや実際のところは「旅立ちの日に・・・」が先にあって、「明日への扉」が後から作られたのかも知れませんが、私にとって重要なのはそこではなく、それぞれの詩の内容です。
「旅立ちの日に・・・」はタイトルからも判る通り卒業ソングですが、「明日への扉」は女性の恋愛に対する心情を唄っています。つまり同じ曲を、川嶋あい名義では卒業ソングとして、I WiSH名義ではラブソングとして唄っているのです。
それはまるで、ラブソングを唄うならなめらかネームの川嶋あいという名前は前面に出さない方が良い、という事が判っていたかのような活動なのです。
もちろん意図的なものではなく、結果的に偶然そうなっただけなのでしょうが、あまりにも出来過ぎな気がしませんか?
『そんなの偶然だよ偶然!』
私の思い過ごしかも知れませんが、これらの事例から推測すると、「ラブソングを唄うならなめらかネームは前面に出さない方が良い」という暗黙のルールがあるのかも知れませんね。
『もう分かったから、次の話に行けよ!』
「次って(笑)もう今日はこれで終わりですよ。川嶋あいさんの件、長くなっちゃったんで。」
『マジか!?俺ほとんど喋ってないぞ!』
「前半喋ってたじゃないですか。ナンノこれしき出初め式!とか。」
『成人式だよ!このタイミングで出初め式って言うの、おかしいだろ⁉︎』
「ま、何でも良いっすけどね。」
この様に・・・
『木村カエラもなめらかネームだぞ!』
「あ、もう時間無いんで、今日はそういうのもナシです。」
『言わせろよ!俺の見せ場だろうがよ!』
「クイズ早く解いてれば、もっと時間あったのに・・・。」
『くっそー!あったまキタ!足はみな・・・
この様に画数ではなく母音に着目して有名人の名前をタイプ分けすると、同じ共通点を持つ方がこれだけ見つかるのです。すなわち人の名前が持つ「音」にはそれだけの力が秘められているのではないか?というのがこの「名前の法則」の世界の研究テーマなのです。
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『大塚・・・
「あーそれも言わないで!また今度その話しますから・・・。」
ではまた次回をお楽しみにー。